蘇る伝統の技 -鷹狩り-

ある日の午後、屋上で飼ってるオウムのPiyokoが猛烈に騒ぎ出した。
何事かと思い階段を上がってみると、灯台の天辺に一羽の猛禽。
どうやら鷹の一種らしく、獲物を物色する好適地を見つけたという事のようだ。
鷹狩り0
(灯台と鷹とバケツ)

執事のセバスチャンに、弓を取ってくるように言いつけたところで、ある事を思い出した。
あれはもう15年ほども昔の事だろうか。
駆け出しの騎士として遍歴していた頃、Yewの森で一人の老人と出会った。
夜半過ぎの森で、老人は焚き火を起し肉を炙っており、その足元には捌かれた鹿が。
彼は、私を手招きすると、焼き上がったばかりの肉を渡してよこした。
つぶしたてのあばら肉は、血の滴るレアに仕上がっている。
それにかぶり付きながら狩りの腕前を誉めると、老人は自分が狩ったのではないと言う。
仲間がいるのかと辺りを見回すと、彼は突然鋭い口笛を吹いた。
「しまった」
そう思うのも当然で、当時は治安が悪く、親切を装って近付く強盗の類も闊歩していたのだ。
ガサッと葉擦れの音が聞こえ私が身構えると、老人の腕に一羽の鷹が舞い降りてきた。
彼は、自分は鷹匠だと名乗った。
その後、焚き火を囲んで鷹狩りの話を聞き、特に調教の技は必要なく、根気さえあれば誰でも手懐けられる事や、訓練すれば鹿のような大型の獣までも狩れる事、そして、鷹狩りの伝統は廃れ、今や彼が最後の鷹匠である事などを知った。
その晩は、老人とベッドロールを並べて休み、翌朝、鷹狩りの様子を見せてもらう事に。
老人は、私の腕に鷹を止まらせ、試しに何か狩って見ろと言う。
正直、動物や鳥程度の獲物なら自分で狩った方が早いと思っていたが、実際に腕を振って放った鷹が、一直線に獲物に向かって行き仕留めるのに成功すると、これが単なる狩りではない事に気付いた。
昨晩聞いた話の中でも、鷹狩りの技は、古い時代に貴族達の娯楽として発達したものだと言う。

食料や皮を得るための作業としての狩りではなく、娯楽或いはスポーツとしての狩りという考え方は長らく忘れられていた概念だと思うが、最近、レンジャーギルドでハントマスター・チャレンジが開催されるようになった。
狩果を登録するための証書はとても高額で、傭兵の日当に換算すると、数百日分にも相当するが、一部の富裕層の間では盛んに狩果が競われているようだ。
弓を持って階段を上がってきたセバスチャンに、弓を倉庫に戻すように言うと、彼は怪訝な顔をして降りて行ったが、私は灯台の上の鷹に向かって語りかけ始めた。

ここだよ……
こっちにおいで……

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ジャンル : オンラインゲーム

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